2025年に注目すべき新興エリア

不動産検索サイトのStreetEasyが毎年発表する「2025年に注目すべき10のNYCエリア」で、Long Island Cityがトップ3にランクインしました。

ニューヨークにお住まいでない方には聞き馴染みのない地名かもしれませんが、一体なぜこのエリアが2025年注目のエリアと言われるのでしょうか?

 

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Long Island City (LIC)は、マンハッタンの東側を流れるEast Riverを渡ってすぐのQueensにあるエリアです。

交通の便が良い他、マンハッタンが一望できるEast River沿いの公園などもあり、住みやすいエリアとしてここ数年でアパート数が急増。レストランやバーなども続々オープンしている注目のエリアです。

 

昨年末のNHK「紅白歌合戦」で藤井風さんがニューヨークから生中継した際、朝焼けに光るマンハッタンを背に歌唱した姿が印象に残っている方もいるかと思いますが、実はこれもLICからの中継でした。

 

Long Island Cityから見たマンハッタン。

夏にはEast River沿いの公園でアウトドアシネマが開催されます。

 

 

このエリアはもともと工場が多く立ち並ぶ地域だったため、古い工場を再利用したミュージアムなども点在し、アートシーンも充実しています。

例えば、日系アメリカ人の彫刻家Isamu Noguchiが1985年にオープンしたThe Noguchi Museumは古い印刷工場とガソリンスタンドを改築して作られました。また、Silvercup Bread Bakeryというパン工場があった建物は、現在はSilvercup Studiosと名前を変え、”Sex and the City“などニューヨークを代表する数々のドラマ・映画作品が制作される撮影スタジオとなっています。

 

The Noguchi Museum

https://en.wikipedia.org/wiki/Noguchi_Museum#/media/File:Wikist_aces_0087.jpg

 

 

さて、このエリアに注目すべき最大の理由は、急成長を遂げるアジア人コミュニティです。

先述の通り、元々このエリアには工場が立ち並んでいましたが、地域の区分が工業エリアから住居エリアに変更されたこともあり、1990年代以降急速な再開発が行われ、今では新しく綺麗なラグジュアリーアパートが多く建っています。

こうしたラグジュアリーアパートはマンハッタンやブルックリンにもたくさんありますが、LICはマンハッタンと比較すると家賃は安く、さらにマンハッタンへは1~3駅ほどという好立地。この点が中国や韓国から来た富裕層の学生に人気となったことがきっかけで、アジア人居住者が増えました。

 

人の流れに伴い、アジア系のスーパーマーケットや中華料理店、ラーメン店、寿司店などアジア系飲食店も続々と増え、つい最近になってアジアンコミュニティがしっかり確立されてきたように感じます。実際に、今年のLuner New Year(旧正月)には、LICのレストランやショップ、アート施設などが協力し、Luner New Year限定のメニューやオファーを行うなど、地域を挙げてアジアのイベントを祝うキャンペーンが行われています。

 

まさに今、勢いのあるLIC。

2025年にはマンハッタンで行列のできるミシュラン星付きのタイ料理店「Soothr」や日本でもお馴染みの「牛角」、韓国フライドチキンの「BBQ Chicken」などもオープン予定です。もうかなり開発も進んでいるのではと思われるかもしれませんが、実際にこのエリアを歩いてみると、まだまだ空きスペースも多く、今後どんな発展を遂げるのか大注目のエリアです。

 

 

出典:

https://streeteasy.com/blog/10-nyc-neighborhoods-to-watch-in-2025/

https://www.nytimes.com/2021/10/18/nyregion/long-island-city-asian-population.html

https://www.liclny.com/

 

 

 

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