ニューヨーク名物「アパートの非常階段」
レンガ造りのアパートの外壁に取り付けられた無骨な金属製の非常階段。
映画「ウェストサイドストーリー」や「ティファニーで朝食を」など、ニューヨークを舞台にした数々の名作に登場する象徴的なセッティングですよね。
今もなお、街のあちこちで目にすることができます。
他の街ではあまり見かけないこの階段ですが、どのような経緯で設置されるようになったのでしょうか?
そもそも、外壁に非常階段が付いているようなレンガの建物は、19世紀に「Tenement」と呼ばれる移民たちの住居として建てられました。ここでは、19世紀に急増したヨーロッパからの移民たちが貧しく窮屈な暮らしを送っていたのです。
そんなTenementで、1860年に火災が起こります。当時使用されていた木製の階段は燃えてしまい、逃げ場を失った住民数十人が亡くなりました。
このことをきっかけに、Tenementには耐火性のある階段を設置することが法律で義務付けられます。しかしながら、室内に新たに耐火性の階段を設置するのはコストがかかるし、建設に当たり賃貸スペースも減ってしまいます。そこで、外壁に非常階段が設置されるようになりました。
しかしながら、その後1927年のBuilding Exits Codeでは、新しいビルには屋内に耐火性のある階段を設置することが義務付けられ、1968年には新しいビルへの外付け非常階段の設置が禁止されました。既に取り付けられているものについては、撤去は求められませんでしたが、現在も5年に1度の外観検査の対象に含まれています。
現在では、アパートの住人がくつろいだり、タバコを吸いに出たりする様子を目にすることもあり、何とも画になるニューヨーク名物となっています。
出典:
https://www.infoq.com/presentations/history-fire-escapes-resilience/
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