ニューヨークの屋上庭園

ニューヨークも夏を迎え、コロナ前と同様と迄はいきませんが、相当数の方が街に戻り、以前の活気が戻りつつある今日この頃です。今回は、ニューヨークの屋上庭園のお話をしたいと思います。ニューヨーク市には屋上を持つ建物は約百万件あり、その面積は40,000エーカーと言われています。下記資料に示されている通り、現在相当数の屋上が庭園並びソーラー設備として使用されています。

 

 

推奨理由としては、雨水排水の低減による市道冠水の低減。植物による空気の清浄作用、夏季の温度低減等が有利であると考られています。一方、不利な理由も当然ありまして、通常の屋上よりメンテナンスが大変、屋上の荷重が増えるため通常の構造よりもより強度が必要、強風時の樹木対応、屋上の手直しが頻繁に必要等が考えられます。さて、本日紹介するのは、最近完成したPIER 57の屋上庭園です。

 

 

 

PIER 57は、マンハッタン14丁目のハドソン川に面した西端に位置しています。建物は、1952年に建てられ、当初はニューヨーク―シアトル間の客船用ターミナルとして1969年迄使用されていました。その後、NY港湾局が管理を行っていましたが、2003年に使用されなくなり放置されていました。その間、1998年にNY市議会にてHudson River Actが承認され、税金での補助を要求しなければ、民間会社が独自の資金で開発が許可される様になりました。当PIER 57は、RXR社が約US$410 Mil.の資金を投資し再開発された案件です。メインテナントとしてGoogle社がオフィスを構えるほか、1階にはワイナリーも開業しており、現在も残りの部分を改装中でレストラン等が入居予定との事で近い将来人気のスポットとなる事でしょう。

 

   

   

 

庭園へは建物の南側よりエレベーターにて上がります。屋上部分は2層となっており、最上階はサンシェードとデッキ、下階は庭園並びにベンチ等が設置されておりハドソン川に突き出ています。南には最近オープンしたLittle Island (これも水上庭園)、ダウンタウンの高層ビル群、北にはハドソンヤードが一望でき、素晴らしい眺めが楽しめます。未だ、余り知られていない様で来場者も非常に少なく、都会の真ん中で自然と都会の雰囲気を同時に満喫できるスポットだと思います。

 

   

 

チェルシーマーケットも直ぐ近所ですので、お出かけの折りには、是非足を延ばされてみては如何でしょうか。開園時間は、午前7時より午後10時迄です。

 

Pier 57

 

工事着工前に開発業者より発表されたPier 57完成予想図