円安やトランプ関税にも負けない!逆風を乗り越える日本ブランドの新潮流

ニューヨークでは近年、日本発の店舗やブランドが目立つようになってきました。

特に飲食とアパレルの分野では、日本ならではの品質やデザイン性が評価され、二極化したトレンドが顕著です。「高級」と「リーズナブル」が同時に受け入れられる市場が形成されており、街歩きやショッピングを通じてその多様性を感じることができます。

 

ニューヨーカーではかなり日本食が定着してきていますが、近年その中でも日本の高級料理が注目されるようになりました。

高級鮨はもちろん、懐石、焼き鳥といった専門店が人気で、当社が設計施工を手掛けた「Sushi Sho New York」や「Tempura Matsui」もその一例です。

現地の富裕層で、日本にある高級鮨店を訪れて感動した人々が、ニューヨークに戻ってからもまたあの味を楽しみたいと集まってくるそうです。そのようなアメリカ人客同士の会話では、「これはどこ産だからおいしい」「東京のあのすし店には行ったか」といった、通ならではの情報交換が日常的に繰り広げられています。

つまり、ニューヨーカーにとって、高級日本食は単なる食事ではなく、文化体験でもあり、話題性のあるステータスの象徴としても受け入れられているのです。

 

そんな中、注目を集めているのが、ボーリングをはじめとする大型エンターテインメント施設で知られるラウンドワンのフードホール構想です。

すでに郊外を中心に全米で50か所以上の大型エンターテインメント施設を展開する同社が、新業態として飲食事業に乗り出しました。

昨年、国内トップランクの寿司、焼き鳥、てんぷらなどの日本食店を一か所に集め、「本物の日本食」をアメリカに届ける計画を発表しました。そして、まずはニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガスを足掛かりに全米展開を目指すという、昨今の日本食ブームをネクストレベルに引き上げるプロジェクトとして注目されています。

単なるフードホールではなく、品質や専門性の高い日本食体験を一度に楽しめる場として、現地の富裕層やグルメ層の関心を集めることは間違いありません。

 

一方で、手軽に楽しめる日本食の需要も根強く存在します。当社が手掛けた「Ootoya Times Square Onigiri Window」のように、リーズナブルで持ち帰りしやすいメニューは、忙しいニューヨーカーにとって日常的に利用できる貴重な存在です。この他にも、おむすび権平やおにぎらず専門店が人気を博すなど、おにぎりブームが到来しています。

こうしたことから、高級とカジュアル、両極端の選択肢が共存する市場は、ニューヨークならではの特徴と言えるでしょう。

 

すし匠ニューヨーク

Sushi Sho New York

Tempura Matsui

Tempura Matsui

 

同様にアパレル分野でも、日本ブランドの存在感が増しています。

従来はユニクロが代表格でしたが、最近では当社が設計施工を手掛けた「Gelato Pique」や「Snidel」、そして「Onitsuka Tiger」もニューヨーカーの間で定着しつつあります。

特にOnitsuka Tigerは街中でもアメリカ人が履いている姿をよく見かけるようになり、もはや定番ブランドとして認知されています。ジェラートピケやスナイデルは、快適さとファッション性を兼ね備えたアイテムとして人気を集めています。

さらに、BEAMSやPORTERも今年に入ってポップアップを開催し、ニューヨーカーに日本ブランドを体験してもらう機会を増やしています。こうした動きにより、ニューヨークでの日本ブランドの存在感はますます拡大しつつあります。

 

The Onitsuka New York

THE ONITSUKA

Gelato Pique New York

Gelato Pique

Snidel New York

Snidel

 

特にニューヨークにおいては、客層が非常に分かりやすくはっきりしています。

富裕層には高級日本食店、バリバリ働く忙しいビジネスマンや学生には手軽に食べられるカジュアルな日本食、ファッション感度が高くアクティブな若者には洗練されたデザインと機能性を兼ね備えた日本のアパレルが刺さっています。さらに、新しもの好きが多い都市でもあるため、全米の中でも日本ブランドが受け入れられやすい土壌が整っているのです。

 

こうした進出は、円安やトランプ関税などの逆風にも負けず進んでいる点が興味深いところです。

背景には、インバウンド旅行者の増加による日本の食やブランドの世界的認知度の向上や、「当たれば大きい」アメリカ市場の活発さがあります。確かに規模の大きい市場ではリスクも伴いますが、それ以上にアメリカ市場のポテンシャルや消費者の関心の高さ、購買力がブランドの進出を後押ししているのです。

こうした戦略的進出は、長期的に見ればニューヨーク市場での定着やブランド価値の向上につながるでしょう。

 

こうして、飲食やアパレルなど多彩な分野で日本ブランドの魅力が発信されることで、ニューヨーク市場における日本ブランドの存在感はますます高まっています。単なる一過性の流行ではなく、品質・機能性・デザイン・体験のすべてをバランスよく提供する点が、現地の消費者に支持される大きな理由です。

当社はこれからも、こうしたブランドの魅力を引き出す空間づくりを通して、ニューヨークに日本の文化やデザインを届け続けたいと考えています。

 

 

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