祝日の意味を知る -新嘗祭-

ロックフェラーセンターには今年も大きなクリスマスツリーが到着し、ブライアントパークでは世界一に認められたクリスマスマーケットが開催され、いよいよホリデーの雰囲気が本格的になってきたニューヨークですが、来週にはサンクスギビングデーもやってきます。

 

 

サンクスギビングデーは、11月の第4木曜日とされており毎年日にちが異なりますが、今年は日本の祝日である「勤労感謝の日」と重なっています。

 

戦後1948年に制定された勤労感謝の日は、国民の祝日に関する法律の条文では、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」とされています。英語では、「Labor Thanksgiving Day」と呼ばれますが、アメリカのサンクスギビングとは異なり、毎年必ず11月23日が勤労感謝の日と決まっています。

 

伊勢神宮

 

それは、戦前までは「新嘗祭」という宮中行事が行われる日であったことが関係しています。新嘗祭は、11月23日に収穫した農作物を皇祖や神々にお供えするという日本古来の行事でした。現在でも天皇陛下が新穀を神々にお供えして今年の豊作を慶ぶ行事が行われています。しかし、戦後GHQが日本を占領した際、宮中行事と国民行事を切り分ける目的で、「新嘗祭」ではなく「勤労感謝の日」と改めたと言われています。(諸説あり)

 

現代では薄れつつある「生産を祝う」という意味を持つ祝日でもあるということを知ると、日々当たり前に感じている暮らしの中にも感謝の気持ちが生まれてきます。仕事ができるということ、美味しいご飯が食べられるということ、世界に目を向けると、当たり前ではない特権なのだと感じます。そんな恵みに感謝してこのホリデーシーズンを過ごしていきたいものですね。

 

これからだんだんと寒さも厳しくなっていきますので、暖かくしてお過ごしください。