ブルックリンでカスタムポスターフレームをつくる
米国では最近多くのオフィスが事務所というよりも自宅のようなアットホームな雰囲気になりつつあります。座り心地の良いソファやコーヒーテーブル、ラグ、フロアランプ、額に入ったアート作品などで飾られています。
これは経営層が、より魅力的で快適な空間が有能な人材を引きつけ、従業員がより良い仕事をするのに役立つと考えているからです。このデザイン傾向はハイブリッドワークの増加により益々需要が高まっており、オフィスビルのロビーや共有施設についても同様の流れとなっています。
私が物件視察をする中でも、リビングルームの要素を取り入れた素敵なインテリアデザインをよく目にします。下の写真はアート作品やポスターで飾られているビルのアメニティスペースやオフィスの一例です。
今回はこれらに刺激を受けて、自宅にも活用できるカスタムポスターフレーム作りに挑戦してみましたので、皆さんにご紹介したいと思います。
ポスターですが、デザインプロダクトを扱うMoMA Design StoreやオンラインマーケットのEtsyなど様々なウェブサイトで購入することができます。私は先日訪れた美術館のミュージアムショップで展示されていたこちらのポスターを購入しました。両面ガラスのブラックフレームとレンガの壁がよく似合っています。
このポスターを作成したアーティストは、Lawrence Weiner(ローレンス・ウィナー)というニューヨーク州ブロンクスの出身で、1960年代にコンセプチュアル・アートシーンで活躍したそうです。特に言語を作品の主要な媒体とすることを得意とし、日本のアパレルブランドのユニクロやSacai、そして白井屋ホテルともコラボレーションをしています。(下はSacaiの服を着たWeiner氏と白井屋ホテル)
さて、ポスターフレームはレビューが良かった「567 Framing」というお店にお願いしてみることにしました。マンハッタンのウエストビレッジとブルックリンのウィリアムズバーグの2店舗ありますが、今回はブルックリン店を利用しました。
こちらの写真を見ての通り(レンガ造りの建物)いかにも倉庫といった感じで、看板もなくドアは施錠されていたため、間違ったところに来てしまったのではないかとしばらく入口でうろたえていました。そこでお店に電話をかけてみると、建物へアクセスする暗証番号を教えてもらい中に入る事ができました。建物の中にも一切目印がなく、きょろきょろと探し回ると一番奥の部屋にありました!
店内はこんな感じで額縁やアート作品が飾られており、奥は工房になっています。
567 Framingは、2007年にイーストビレッジの小さなアートフレーミングブティックとしてスタートしたそうです。その後、2年のうちにウェストビレッジとブルックリンに店舗を拡大し、アートフレーミングと印刷に関する幅広い知識を持ったアーティストやデザイナーが揃っているそうです。
まずは店員さんの指示で購入したポスターを台の上に広げ、サイズをはかってもらいます。どういう仕様にしたいか聞かれますので、私はミュージアムショップで飾られていたようなフレームを作りたいと伝えましたが、両面ガラスは重く壁がその重さに耐えられずに落下してしまうのでやめたほうがいいとアドバイスをうけました。残念ですがそちらは諦めて、フレームの色と素材、バックグラウンドの紙の色、余白幅など相談しながら決めていきます。表面の素材は、ガラスよりも樹脂を使用したプレキシガラスの方が軽くて安いとのことだったので、そちらにすることしました。途中ポスターの購入価格も聞かれますが、これは万が一の破損に対する保険をかける為だそうです。あとはデポジットを支払って、2週間後に取りにいきます。
こちらが完成した写真です。ポスターのサイズが縦90cmほどと大きかったのでお値段は想像以上にしましたが、カスタムをするのは面白い経験でしたし、お店のサービスにも満足でした。
皆さんもお部屋をぐっとおしゃれにしてくれるアートウォール制作をお試しになってみてはいかがでしょうか。