Trinity Church – Wall Street

ブロードウェイに面しているトリニティ教会は1846年に完成した三代目にあたる。トリニティとは”三位一体“の神をさしている。ニューヨークの初期から何世紀にもわたる歴史と立地、建築様式と豊富な寄付金で知られている。トリニティ教会はニューヨーク市最大級の土地所有者であり、莫大な宝物が地下に眠っているなどと映画の題材にもなっている。

 

1839年に工事が始まり1846年に完成している。マンハッタン東からウォールストリートの緩い坂道を上ってくると正面に教会ファサードが見える。ブロードウェイから西側のハドソン川へはかなり急に下っている。教会の裏手ブロック越しに当時の海岸線は迫っている。教会の高い尖塔は85.6mあり、丘の上に見える教会は当時ニューヨーク湾に入港する船舶を歓迎する標識となっていた。1869年に追い抜かれるまで、23年間アメリカで最も高いビルのタイトルを保持しており、トリニティ教会は、それまでニューヨークのスカイラインを独占していた。

建築家はリチャード アップジョンでゴシック リバイバル様式にて建てられている。ゴシック リバイバルは17世紀後半からイギリスで始まり18世紀後半にはフランス、ドイツをはじめアメリカにも広がっており中世のゴシック建築を復活させようという建築の流れだ。一方、対峙する新古典主義運動は古代ローマや古代ギリシアの古典主義建築の部分的な復興をしようとしたルネサンス建築やバロック建築が、後期バロックで生じた行き過ぎを取り除いた古代ローマ、ギリシャへの復興を目指している。

 

 

初代トリニティ教会は1698年にイングランド国教会として完成した。平屋の断面が将棋の駒のようなギャンブレル屋根(二面切妻二段勾配屋根)の質素な建物でハドソン川に面して建てられたそうだ。キャプテンキッドで知られる海賊ウィリアムキッドが重い物を持ち上げる滑車器具を彼の船から貸したと記録にある。初代教会は1776年のニューヨーク大火において消失している。1776年の大火にあった地区が暖色で塗られている。大火の災害地域の広大さに驚くが、当時の街路地の発展ぐあいが見れて興味深い。

 

 

二代目の教会は1788年に建設が始まり1790年に献堂されている。ワシントン大統領はじめ多くの政府関係者が礼拝に訪れ政治的に大きな意味を持つ教会だった。約61mの尖塔があり、1839年の大雪で梁が損傷を受けて1839年に建設が開始されている。

 

 

ニューヨーク入植地の頃からニューヨークの発展の出発点には必ず語られるトリニティ教会は荷物チェックを受ければ自由に入場できるし、トリニティ教会墓地も自由に散策可能だ。因みに有名な埋葬者としては独立戦争時にジョージ ワシントンの副官であったアレクサンダー ハミルトン、ロバート・フルトン(初めて蒸気船を成功させた発明者)、アルバート・ギャラティン(ニューヨーク大学の創設者)、などが挙げられる。季節の良い時期にはベンチに腰掛けるのも良いかもしれない。毎日の礼拝はもちろんコンサートは宗教音楽からジャズまで行事カレンダーにあるので興味のある方はチェックされてはいかがでしょうか?