アメリカ大統領選 直前大予想 Trick or Tweet ?!

例年、この季節には小さなお子様が思い思いに仮装をして近所の家を一軒一軒周り、夫々の袋にキャンディーやチョコレートを嬉しそうに詰め込んでいく姿を目にします。残念ながら今年はコロナの影響で自粛ムード、むしろ歴史的なものになるかもしれない大統領選を直後に控えて、街中はいつになく緊迫した雰囲気に包まれています。

 

全米の世論調査を基にした下馬評では、民主党のバイデン候補が有利のようですが、トランプ大統領は各州で連日キャンペーンラリーを行い、猛追しています。どうしても4年前のあのトランプ候補のあっと驚く大逆転が頭をよぎってしまいます。今年は既に8千万人近い有権者が期日前投票を済ませたともいわれ、投票所に並ぶ有権者の長蛇の列がメディアにも映し出されており、その関心の高さが見て取れます。また、誰が勝利して次期大統領になるのかは勿論、いつ決まるのかも悩ましい状況です。

 

郵便投票の開票が進まず、決着が大幅に遅れる可能性、幾つかの接戦州で両陣営から開票結果への疑義が投げかけられ、連邦最高裁まで巻き込んだ法廷闘争になる可能性、選挙妨害や不満をあらわにした支持者のデモのエスカレーションの可能性、更に幾つかの州の勝敗結果が確定せず選挙人が承認されないために両候補ともに270人の過半数が得られない可能性など今年は異例の事態が考えられています。

 

決着がどうしてもつかない場合、憲法修正第12条により議会(下院)の投票により大統領が決まるという約200年ぶりの事態も囁かれています。この場合、議員一人ひとりによる投票ではなく、各州1票、合計50票の過半数をどちらが取るかという決まり方になります。現在は、下院は民主党が多数派ですが、州毎で見ると、共和党が26州を確保しているため、憲法上の規定でいくとトランプ候補が次期大統領(再選)ということになります。

 

一方、連邦最高裁は、トランプ大統領が指名したバレット判事が上院で承認され、正式に9人目の最高裁判事に確定しましたので、保守派6対リベラル3で、法廷闘争での決着になると、これもトランプ候補が俄然有利になりました。トランプ大統領は、恐らくTwitterでも勝利宣言をするでしょう。敗北は認めない可能性もあり、色んなトリックを考えているかも知れません。