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アメリカで店舗やオフィスをつくる際、「リースを締結してから設計を始める」と考えている方も多いかもしれません。しかし、実際にはLOI(Letter of Intent:賃料や契約期間など、賃貸条件の大枠について合意する書類)を締結し、Leaseの交渉に入った段階から設計会社と進めていくことで、より効率的にプロジェクトを進められるケースがあります。
特にニューヨークのように、設計や工事だけでなく、オーナー側の承認や各種申請などにも時間がかかるエリアでは、いつ設計をスタートするかが、その後のスケジュールに大きく影響します。
また、アメリカの商業物件では、Leaseの条件としてフリーレント(一定期間、賃料の支払いが不要になる期間)が設定されることもあります。この期間をどのように使うかによって、工事のスケジュールや実際の賃料負担も変わってきます。
そこで今回は、アメリカで店舗・オフィスをつくる際に、なぜLease締結前から設計を始めるのか、そしてフリーレント期間をどのように有効活用できるのかについて紹介します。

日本では、物件の契約が決まってから設計をスタートするという進め方も珍しくありません。
しかし、アメリカでの店舗・オフィスづくりでは、Leaseを締結してから設計を始めると、工事までのスケジュールがかなり限られてしまうことがあります。
Lease締結後には、レイアウトの検討や詳細設計だけでなく、オーナー側への設計承認、必要な申請、施工会社との調整など、さまざまな工程があります。さらに、実際に工事が始まってからも、設備工事や検査などを進めなければなりません。
そのため、せっかく契約時にフリーレント期間が設定されていても、その期間の一部を設計や申請に使ってしまい、実際の工事に使える時間が短くなることがあります。
だからこそ、Lease締結を設計のスタート地点にするのではなく、その前からできる準備を進めておくことが重要になります。
では、具体的にいつから設計を始めればよいのでしょうか。
一つの目安になるのが、LOIを締結し、Lease交渉に入ったタイミングです。
LOIでは、賃料や契約期間、TI(Tenant Improvement Allowance)、フリーレントなど、賃貸条件の大枠について合意します。
もちろん、LOIを締結したからといって、必ずしもLease契約まで進むとは限りません。ただ、Leaseの具体的な文面を作成する段階になると、家主側も弁護士を立てるなど、契約に向けて具体的に動き始めます。
つまり、最初の物件検討段階と比べれば、双方が契約に向けてコミットしている状態です。
もちろんLease締結前なので、最終的に契約に至らない可能性はゼロではありません。そのため、どこまで設計を進めるかはプロジェクトごとに判断する必要があります。
それでも、この段階で設計会社と契約し、基本的なレイアウトや設計検討を始めておくことには大きな意味があります。
Lease締結後にゼロから設計を始めるのではなく、あらかじめ計画を進めておくことで、物件の引き渡し後、できるだけ早く工事をスタートできる状態をつくることができます。
この進め方の大きなメリットが、フリーレント期間を有効に活用できることです。
アメリカの商業物件では、Leaseの条件として一定期間のフリーレントが設定されるケースがあります。これは、契約後の一定期間、賃料の支払いが発生しないというものです。
テナント側からすると、工事期間中の賃料負担を抑えられるため、非常に重要な条件です。
ただし、フリーレント期間があるからといって、その期間に入ってから設計を始めればよいとは限りません。
例えば、Lease締結後に設計を始め、そこから設計、オーナー側の承認、必要な申請などを進めていると、実際に工事を始める頃にはフリーレント期間がかなり消化されている可能性があります。
一方、LOI締結後から設計を進めておけば、Lease締結時には基本的なレイアウトや設計内容がある程度まとまっている状態を目指せます。
そのため、Lease締結後は設計の仕上げや承認、申請、施工準備などを進め、物件の引き渡しと同時、またはできるだけ早いタイミングで工事をスタートすることも可能になります。
つまり、フリーレント期間を「これから設計を始める期間」ではなく、「実際に工事を進める期間」として活用しやすくなるのです。
もちろん、設計や申請に必要な期間は物件や工事内容によって異なりますが、早く動き始めることで、フリーレントをより有効に使える可能性が高まります。
LOI締結後から設計を始めるメリットは、スケジュールだけではありません。
実際にレイアウトを考えてみることで、その物件が自社の計画に合っているのか、具体的に確認できるようになります。
例えば、オフィスであれば、必要な人数を収容できるのか、会議室や個室をどこに配置するのか、受付やラウンジを設けるスペースがあるのか、といったことを検討できます。
店舗の場合も、売場だけでなく、レジ、バックヤード、スタッフスペース、トイレなどを含めて考える必要があります。
さらに、電気、空調、給排水などの既存設備がどこまで使えるのかによって、必要な工事費も変わってきます。
こうした問題がLease締結後に初めて分かると、追加費用やレイアウト変更、スケジュールの遅れにつながる可能性があります。
逆に、早い段階から設計会社が入っていれば、設計を進めながら「この物件で本当に計画が成立するのか」を確認できます。
必要に応じて、Lease締結前にレイアウトを調整したり、オーナー側に確認しておきたい事項を整理したりすることもできます。
もう一つ重要なのが、Lease交渉と設計・工事を別々のものとして考えないことです。
例えば、TI(Tenant Improvement Allowance)の金額や、オーナー側がどこまで工事を負担するのか、フリーレントをどの程度設定するのかといった条件は、実際に必要となる工事内容とも関係しています。
物件を見ただけでは分からなかった工事費が、設計を進めることで具体的になってくることもあります。
そうなれば、「この物件で必要な工事はこれくらいなので、TIをもう少し増やしたい」といった交渉の材料にもなります。
つまり、設計会社が早い段階から関わることで、単に図面を早くつくれるだけでなく、Lease条件を検討するための情報も得やすくなります。
物件を選び、Leaseを交渉し、設計を進める。この3つを別々の工程として考えるのではなく、並行して進めていくことが、アメリカでの店舗・オフィスづくりでは重要です。
アメリカでの店舗・オフィスづくりでは、Lease締結をスタート地点と考えるのではなく、Lease締結に向けて設計・施工の準備を進めるという考え方が有効です。
LOI締結後も、Leaseの条件によっては交渉が長引いたり、最終的に契約に至らなかったりする可能性はあります。そのため、設計会社とどのタイミングで契約し、どこまで設計を進めるかは、物件やプロジェクトの状況を見ながら判断する必要があります。
それでも、Lease締結後にゼロからスタートするのではなく、LOIを締結し、Lease交渉に入った段階から設計・施工の準備を進めておくことで、その後の時間をより有効に使うことができます。
特にフリーレント期間が設定されている場合、その期間をいかに工事に活用できるかは、オープンまでのスケジュールを考えるうえで重要なポイントです。
「物件が決まってから設計」ではなく、「Lease締結に向けて設計も動かしておく」。
この考え方を持っておくことで、契約後の時間を無駄にせず、よりスムーズに店舗・オフィスの完成へと進めることができます。
弊社では、LOI締結後の段階から、物件条件を確認しながらレイアウトや工事内容を検討し、設計・施工まで一貫してサポートしています。アメリカでの出店・オフィス開設をご検討の際は、Lease締結前の段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。
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