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ニューヨークの9月といえば、まだ夏の名残を感じる日も多い一方で、少しずつ秋の気配が感じられる季節です。今年は9月半ばごろから朝晩の空気が一気に涼しくなり、街を歩いている人の服装も少しずつ秋らしくなってきました。
そんなニューヨーカーが、秋になると楽しみにしているのが「Apple Picking(アップルピッキング)」です。
マンハッタンのような都会に住んでいると、りんごはスーパーで買うものという感覚になりがちですが、9月から10月にかけては、ニューヨーク近郊のファームまで足を延ばして、自分でりんごを収穫するのが秋の定番レジャーになります。
しかも、Apple Pickingの魅力は、りんごを採るだけではありません。
広い農園では、Corn Maze(コーンメイズ)やPumpkin Picking(パンプキンピッキング)、Hay Ride(ヘイライド)など、秋ならではのアクティビティも楽しめます。さらに、採れたてのりんごを使ったApple Cider Donutや、Cider Houseで楽しむハードサイダーなど、食の楽しみもたくさんあります。
つまり、りんごを採りに行ったつもりが、気づけば一日中ファームで遊んでいる。そんな過ごし方ができるのも、ニューヨークの秋ならではなのです。

ニューヨーク近郊には、たくさんのApple Orchard(りんご農園)があります。
中でも人気なのが、マンハッタンから車で1〜2時間ほどで行けるHudson Valley周辺。山や川に囲まれた自然豊かなエリアで、秋になると少しずつ景色も変わっていきます。
9月頃からApple Pickingのシーズンが始まり、農園によってさまざまな品種のりんごを収穫できます。
普段、都会で暮らしていると、木になっているりんごを見る機会もそれほどありません。そのため、自分で木からりんごを採るというだけでも、ちょっとした非日常です。真っ赤に色づいたりんごを探しながら農園を歩いていると、それだけで小旅行をしているような気分になります。
また、採ったりんごは重さに応じて料金を支払うスタイルが一般的です。バスケットいっぱいにりんごを詰めて持ち帰る人も多く、家に帰ってから「こんなに採ったんだ」と少し驚くことも。
さらに、農園によってはApple Pickingだけでなく、農産物のマーケットやベーカリー、カフェなどが併設されているところもあります。せっかく郊外まで来たのだから、りんごだけではなく、ファームで売っているジャムや野菜、焼き菓子などを見て回るのも楽しみのひとつです。
そして、Apple Pickingに行ったらぜひ食べたいのが「Apple Cider Donut」です。
ニューヨーク周辺の秋のファームでは、定番のおやつとして販売されていることが多く、農園によってはその場で揚げた出来たてを食べることができます。
Apple Cider Donutという名前ですが、りんごがそのまま入っているドーナツというわけではありません。アップルサイダーを生地に加え、シナモンや砂糖などで風味をつけたものが一般的です。
もちろんアルコール入りではないので、子どもでも食べられます。
外側は少し香ばしく、中はふんわり。りんごの甘い香りとシナモンの風味が広がって、いかにも秋らしい味です。特に、少し肌寒い日に温かいApple Ciderと一緒に食べると最高です。
ニューヨークでは、秋になるとカフェやベーカリーでもアップルやシナモンを使った商品が増えていきますが、ファームで食べるApple Cider Donutには、また少し違った特別感があります。
「せっかくApple Pickingに来たなら、これを食べないと帰れない」というくらい、秋のファームではおなじみの存在です。

ファームの秋イベントで、意外と盛り上がるのが「Corn Maze」です。
その名の通り、背の高いトウモロコシ畑の中に作られた巨大な迷路。入り口から入ると、周りはトウモロコシに囲まれているので、思った以上に方向が分からなくなります。
「こっちじゃない?」「さっきここ通ったよね?」などと言いながら進んでいると、気づけば大人も本気になってしまいます。
簡単そうに見えて、意外と難しいのもCorn Mazeのおもしろいところです。
農園によっては、子ども向けの小さな迷路だけでなく、大人でもかなり迷ってしまうような本格的なものもあります。そのため、家族連れはもちろん、友人同士で行っても結構楽しめます。
秋のファームというと、どうしても子ども向けのイベントというイメージがありますが、Corn Mazeは大人も童心に戻って遊べるアクティビティのひとつです。
そして、秋が深まってくると、ファームにはパンプキンも並び始めます。それが「Pumpkin Picking」です。
大きなパンプキンが並ぶ畑の中から、自分の好きなものを選んで持ち帰ります。
アメリカでは、パンプキンは秋のデコレーションに欠かせない存在。特に10月のHalloweenが近づいてくると、家の前にパンプキンを並べたり、Jack-o'-lanternを作ったりする家庭も増えていきます。
そのため、Pumpkin Pickingは単なる収穫体験というより、Halloweenの準備を兼ねた秋のイベントでもあります。
大きなものを選ぶ人もいれば、形がちょっと変わったものや、小さくてかわいいパンプキンを選ぶ人もいます。どれにしようかと畑の中を歩きながら選ぶ時間も、意外と楽しいものです。
また、Apple PickingとPumpkin Pickingの両方ができる農園も多く、9月後半から10月にかけては、りんごとパンプキンが一緒に並ぶ光景を見ることもできます。
もうひとつ、ファームならではのアクティビティが「Hay Ride」です。
Hayとは干し草のことで、Hay Rideは干し草を積んだトラクターなどに乗って、農園や周辺をゆっくり回るアトラクションです。木のベンチや干し草の上に座り、農園の景色を眺めながら進んでいきます。
Apple PickingやCorn Mazeでは結構歩くので、途中でHay Rideに乗って休憩するのもおすすめです。
特に秋晴れの日は気持ちがよく、少しひんやりした風を感じながら農園をゆっくり進んでいくと、「秋になったな」と実感します。
マンハッタンではなかなか見ることのできない広い畑や農園の景色を眺めているだけでも、良い気分転換になります。

そして、少し大人の秋の楽しみとして外せないのが「Cider House」です。
ここで少し注意したいのが、アメリカで使われる「Cider」という言葉。
日本で一般的にイメージするアップルサイダーは、炭酸の甘い飲み物を思い浮かべる人が多いと思いますが、ニューヨーク周辺には、りんごを使ったハードサイダーを造るCider HouseやCider Farmもあります。
Hudson Valleyなどには、ワイナリーのようにテイスティングができるCider Houseが点在しています。
りんごの品種や製法によって味わいもさまざまで、甘めのものからすっきりしたもの、ワインのように複雑な風味を持つものまであります。
最近では、ビールやワインだけでなく、こうしたクラフトサイダーもニューヨーク周辺のローカルな飲み物として楽しまれています。
昼間はApple Pickingをして、夕方はCider Houseへ。そんな流れで一日を過ごせば、秋の小旅行としてかなり充実した時間になりそうです。
もちろん、運転する場合は飲酒できないので、そこは注意が必要です。複数人で行くなら、誰が運転するのかをあらかじめ決めておくと安心です。
日本でも秋になると、紅葉狩りや味覚狩りなど、季節を楽しむ文化があります。
ニューヨーク周辺のApple Pickingにも、それに少し似たところがあります。
ただ、こちらでは単純に「りんごを収穫する」だけではありません。
Corn Mazeを歩いたり、Pumpkin Pickingをしたり、Hay Rideに乗ったり、Apple Cider Donutを食べたり。さらに、大人はCider Houseでハードサイダーを楽しんだりと、一日を通して秋を満喫します。
そのため、Apple Pickingは「りんごを採るイベント」というよりも、「秋を楽しむための一日」と考えたほうが近いかもしれません。
さらに、ファームの周辺には小さな町やマーケット、ワイナリー、レストランなどもあります。せっかく郊外まで来たのだから、帰りにローカルのレストランで食事をしたり、近くのファームスタンドに立ち寄ったりするのも楽しみのひとつです。

マンハッタンから少し離れるだけで、ビルに囲まれた景色から、広い農園や山々へと風景が一気に変わります。普段は地下鉄や徒歩で移動しているニューヨーカーにとって、車で郊外へ向かうこと自体が、ちょっとした気分転換なのかもしれません。
夏の間は、ビーチやルーフトップ、アウトドアイベントなど、都会の中で楽しめることがたくさんあります。一方で、9月に入ると少しずつ街の空気が変わり、週末には自然のある場所へ出かける人も増えてきます。
Apple Pickingをきっかけに、秋の味覚を楽しみ、Corn Mazeで遊び、パンプキンを選び、最後はCider Houseで乾杯する。そんな一日を過ごしてみると、「ニューヨークの秋」と聞いて思い浮かべる景色も、少し変わるかもしれません。
都会で暮らしているからこそ、たまにはそこから離れて、季節を感じる時間を過ごしてみる。ニューヨークの秋は、そんな週末の楽しみ方ができる季節です。
そして帰る頃には、車のトランクにたくさんのりんごやパンプキンが。さらに、Apple Cider Donutの甘い香りや、秋の農園で過ごした時間も一緒に持ち帰ることができます。
9月から10月にニューヨークにいるなら、一度は少し郊外まで足を延ばして、ニューヨークらしい「秋の一日」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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